太陽光発電をクーリング・オフするに至った話

先日、クーリング・オフの記事を書いたんだけど、そのクーリング・オフした太陽光発電について書こうと思う。

noo.hatenablog.jp

少々長くなる。

我が家は数年前に購入した戸建てで、その当時は太陽光には全く興味も無かったし、トラブルや胡散臭い話の多いイメージを持っていたので聞く耳を持たなかった。

そんなある日、某大手ガス会社の子会社の所属を名乗る人物が訪問してきたことがあった。
太陽光発電の話をするとは一言も言っていなかったが、どうやって太陽光の営業にこぎつけたのか、その手口(言い方悪いけど敢えてこう書く)はこうだ。

  • 無料でガス機器の点検をするという
    • ついでに 電気料金について節約するためのアドバイスもする のだとか
    • 無料でやってくれるならと思い、ガス機器の点検をしてもらう
  • 給湯器のチェックをする(って言っても、お湯が出るかの確認だけしておしまい)
  • ガスの点検だと言うのに、IH 周りもチェックしだす
    • IH の焦げ付きに目を付け、持参した道具で掃除しだす
  • その後、電気料金の節約アドバイスと称して太陽光発電の説明が始まる

最後の節約アドバイスになるまで、「太陽光」というワードは一回も出てこなかった。
こっちとしては、何か世に出回っていない節約術でも教えてもらえるんだと思い、まんまと太陽光の営業話を聞かされてしまうのだった。

営業トークは、まず現状の電気料金の話から。

  • 今、契約している電力会社はどこで、電気料金はいくらか
  • その中にある「再エネ賦課金」という項目のことは知っているか
  • それは国が設定している金額で、どこの電力会社にしても必ず同じ金額がかかるもの
  • その金額は今後も上がり続けると言われている
    • この時は、上がり続けるとしか説明されなかった
    • その後調べて知ったが、これは将来的に(再生可能エネルギーが普及すればするほど)下がっていく予定らしい

次に、将来の電気料金のシミュレーションをした。
今の電力会社のまま「再エネ賦課金」が上がり続けた場合、将来これぐらいの金額になる、という話だった。

ここで太陽光発電の話。
例えば、家の屋根の向きが南で、平均日照時間が日本一少ない秋田の日照時間で計算すると、太陽光発電ならこれぐらい発電でき、余った電気は売ることができる。
蓄電池を設置すれば、余った電気は蓄電できるし、蓄電池もいっぱいになったらそれはまた売ることができる。
蓄電池は災害時に使うことができ、安心材料を得ることができる。
その場合、月々の電気料金(電力会社に支払う料金)はこれぐらいになって、経済効果でいうとこれぐらいのオトクになる、というような内容の話をされた。

また、国がカーボンニュートラルの実現に向けた再生可能エネルギーの普及に力を入れていることなどを話し、世界的に太陽光発電システムの設置が普通になっていくんですよという話をされた。
うちはどうやら太陽光発電に向いている条件(屋根の向きや周辺環境)をしているらしく、こんな好条件で入れてない家はもうほとんど無い的なことも言ってたかな。

最後に、今ならオトクというトークで一気に畳み掛ける。

  • 今、このエリアで太陽光発電システムの工事を弊社で一括で受注することで、工事費用を抑えた金額で提供できる
  • xx月xx日ごろまでに申し込めばその金額で契約ができる
  • 某大手ガス会社が名前を出してやってる以上、半端なことをするわけない

マジで知識の無い自分は、確かにそういう理屈(一括受注)なら安くできるのはそうだろうとは思った。
最後に詳細なシミュレーションを作るために屋根の材質や形などが載っている設計図の写真を取って、その日の説明はそこまで。
後日詳細なシミュレーションを持ってくるので、その時に契約するかしないか決めてくれと言ってその営業は帰っていった。

数日後、前回と同一人物が訪問してきて、再度同じような説明と、詳細なシミュレーション結果(太陽光パネルの枚数や発電量、売電を含めた経済効果等々)の説明をしてきた。
また、一括受注で工期をある程度限定して工事を進める都合で、今日決めてほしいとも言われた。
その上でどうするか聞かれたが、その時は特に疑いを持ってはいなかったので、そのまま契約書類に記入捺印を進めていったのである。

こうしてその訪問営業(以降A社とする)の太陽光発電システムを契約したのだが、その後事態は一転する。
実は、相見積もりは取った方が良いだろうとは思っていたため、最初の訪問営業の時点で他社(戸建を購入したハウスメーカー、以降B社とする)に見積もりを依頼していたのだった。

本来、B社の見積もりも出てきてから契約するか決めたかったが、そのB社の見積もりが用意できるのが、A社の契約するしないを決定する日の6日後だった。
また、A社営業マンの「某大手ガス会社が名前を出してやってる以上、半端なことをするわけない」を信じていた自分は、少なくとも詐欺みたいなことは無いだろうと思っていたので、とりあえずその時点でA社と契約、後日B社の見積もりを聞きに行ったのである。

正直、B社はハウスメーカーなので、太陽光発電システムの費用はとても割高なイメージがあった。
そのため、B社は見積もりを見て「やっぱり高いな〜」と思って終わりにするつもりだった。

ところが、B社の見積もりが出てきてびっくりした。
A社の見積もりよりも100万円以上安かった のだ。
もうその時点でA社との契約をクーリング・オフすることを決意した。

B社の話を聞いたのがA社契約後6日目だったので、帰宅後急いでクーリング・オフの手続きを済ませ、無事に契約解除をすることができた。
いやーほんとギリギリだった。

結果、詐欺ではなかったものの、見積もりに100万円以上の差が出たことでA社との契約は白紙となったわけだけど、振り返ってみるとA社の営業はイマイチだったなと思うことはいくつかあった。
それは以下のようなこと。

  • 見積書を一向に見せない
    • 最終的な金額が書かれた見積書は、諸々の書類を書き始めてから見せてきた
    • 最初に見せろや、見せてって言わなかった自分も悪いけど
  • パネルや蓄電池について、提案が1パターンだけだった
    • どういうメーカーのパネルや蓄電池があって、どういう機能や特徴があるかとか、そういう説明は無かった
    • 「一応いくつか検討したけどこれが一番良いパターンだった」ということは言っていたかな
  • クーリング・オフについての説明が適当だった
  • 補助金の説明が不十分だった
    • 市町村のやつがあるのは教えてくれたが、申請は自分でやってくださいと言われた
    • 実は都道府県の方でも補助金があったけど、都道府県の補助金の話はしてくれなかった

高い買い物の時は言われるがままじゃダメ、ゼッタイ。